ハガレン+その他

□過去拍手お礼文(その他)
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ふとした拍子に、転校して疎遠になった友達を思い出す。


思い出


最寄り駅から家への帰り道。
今日は学校で嫌なことがあった。
そのせいもあって、考え事をしながら歩き、ふと溜め息を吐く。
「ん?」
何気なく視界に入った地面には、潰れた木の実が点々と落ちている。
見覚えのある…そうだ桑の実だ。
実が落ちているということは、木があるということ。
見上げると、頭上の木には幾つかの桑の実。
思い出すのは、小学生の頃のこと。
学校からの帰り道、友達と話しながら歩いていると、木に登って桑の実を採っている同級生を見つけた。
『桑の実採ってー』
頼んで、分けてもらう。
友達と一緒に、談笑しながら食べた。
そんなことが、よくあった。
「懐かしいな」
友達とは、転校して以来会っていない。
始めは連絡を取り合っていたが、いつしか疎遠になっていった。
ふと思いだし、携帯を取り出す。
小学生の頃といえば、携帯を持っている人は珍しかった。
そんな中、自分とその友達は持っていたのだ。
引っ越す直前に、アドレスを交換したことを覚えている。
懐かしい記憶が蘇り何となく気持ちが軽くなっていて、気が付いた時にはメールを作成していた。
件名の欄に、『久し振り!』と入れ…
本文には、『元気?』と質問を入れる。
そして…
『私は、元気だよ!』
自分の状態も付け加えて、送った。

元気に、なったよ。
思い出を、ありがとう。
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