ハガレン+その他

□アゲハ蝶
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わかってた。
初めからわかってた。
それでも君に会いたくて…

『鋼の錬金術師』に出会えて良かったと思う。
何を失っても諦めず努力する主人公達の姿に救われて、一人ぼっちの寂しさを乗り越えて来られたから。

私は、彼と夢の中…漫画の世界で会えるだけで良かったんだ。
それなのに。
いつしか本当に会ってみたくなっていて。
会うと、仲良くなりたくなって。
仲良くなると…愛されたくなった。
わかっていたのに…
少し…いや、かなり期待していた。
未来が変わること…
君が振り向いてくれることを。
君は振り向いてくれないだろうとわかっていたのに。
私は、愛されることを望んでしまった。
途端に、羨みと嫉妬が世界を染めた。
それまで楽しかった日々が、苦しみの元になってしまった。

求め、手に入れた。
それでも、まだ足りないと求めてしまった。
私はなんと欲の深い…愚か者なのだろう。

たとえ君が振り向いてくれないとしても、私は君のためなら命だって惜しくない。
ただ…
もしも私が、君を庇って死んだとしたら…
私が君をそれだけ思っていたんだってことはわかってほしいな…

優しくしてくれるだけでいい。
それだけで、私の心は満たされるから。
でも…
できたら…
できたらでいいから、私を愛してほしいなんて…
図々しいよね…

君のためなら何でもしたいって思う私だから、困ったときは…私を頼ってね。





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