SHAMAN KING

□しもやけヒーロー
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ぬくいコタツ、隣にはうるさい男。




「なぁ!葉、どっか出かけようぜ!!」





外は雪が降っていて、結構積もってきている。








「ん〜〜、でも寒いしなぁ。コタツ入ってのんびりしねぇか?」







葉はそう言って余計に深くコタツにもぐっていく。









「お前、昨日もそう言って外出なかっただろ!!雪だぜっ雪!!遊ぶっきゃねーだろ!」










コタツをはがれた葉は、縮こまった体制のままため息をつく。

「う〜、仕方ねぇな。ホロホロ雪好きだもんなぁ。」








「じゃ行こうぜっ!!」



ホロホロはそのまま葉の手を掴み、勢いよく玄関をでた。










「イヤッホロウ!!こっちに出てきて初めての雪だなぁ!」






しばらく故郷の北海道を離れているホロホロは本当に楽しそうにはしゃいでいる。




「さみぃけど、ホロホロがあんな楽しそうしてっと、なんか暖まるのな。」

葉の独り言と一緒に流れる白い息。








ホロホロがハッとしたように小走りで葉に近づいてくる。




「わりぃ、葉寒かったか?」





そう言ってホロホロは葉の両手を自分の両手で包み込んだ。




ホロホロの手はあたたかく、葉の手はまだ冷たかった。






チラリと葉の顔をのぞき込んでから、ホロホロは葉の両手を顔に近づけて、自分の息を吹きかける。





「うぉっ!ホロホロ、おっおま」


ホロホロの息が自分の両手に降りかかる。


恥ずかしさと手のぬくもりが一緒になって葉の顔を赤くさせた。




「おっ!やっと暖まったか?」


ホロホロは満足そうな笑顔を見せて葉の手をさすった。









きっとなんも考えてねぇんだろうな、と葉は小さくため息をついた。






「そこら辺、散歩してかえろうぜ!」



手を繋ぎながら2人で白い地面に足跡をつけていく。








葉はホロホロが言っていたある言葉を思い出してた。




「俺に惚れると、しもやけするぜ。」





なんだか笑ってしまう。




しもやけどころか、こんなにも心が暖かいというのに。

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