REBORN

□涙
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「あ、あれって・・。」


雪がちらつく中、前方を歩く1人の少女が見知った顔であるということに、綱吉は気づいた。


















「あっ、あのっ髑髏!」











自分の名前が呼ばれた髑髏は、ゆっくりと声の主の方に振り向いた。









「ボス。」











「久しぶり・・・。1人・・なの?」







髑髏はこくりと頷く。













「そっか・・・。・・・・えっと・・・。」










言葉に詰まる











「・・・・・・・・。」












「・・・・・・・・。」












「じゃぁ、私・・・。」










そう言って帰ろうとする髑髏に綱吉は声を振りしぼった。









「あっ、待って、髑髏!!」







焦って出した声は少し掠れてしまった。















「・・・骸は・・・変わりないのかな?」

















「・・・うん。」














「・・そっか・・・。髑髏は大丈夫?」











「?私はどこもケガしてないから・・。」






髑髏がそう言うと、綱吉は心配そうに微笑んだ。














「違うよ、髑髏。俺は髑髏の気持ちのこと言ってるんだ。」
















「・・・ボス・・平気だよ、私。」











そう言う髑髏に綱吉は、悲しそうにもう一度微笑んだ










「・・・やっぱり、平気じゃないみたいだね。」












綱吉の言葉を聞いて、髑髏は首を横に振る。















「平気だと思うのは・・・髑髏が我慢してるからだよ。
・・・ごめん・・・分かってたのに・・・、もっと早く髑髏のところに行けば良かった。
俺鈍くさいから遅くなっちゃった。」










「・・・ボス?」












「骸がいなくて、辛い思いしてる髑髏に、何もできなくてごめんね・・・。
俺頼りないし、骸みたいに髑髏を安心させてあげられない。」











自分勝手な涙が、自分の目から溢れ出すのを止められなくてイヤになる
















「ごめん・・・ごめん髑髏、泣きたいのは髑髏の方なのに・・・。」







髑髏の涙を拭えるのは、きっと世界で1人だけだろう。

それが分かってる綱吉は髑髏に「泣いていい」なんて口に出せないでいる。











「・・・ありがとう、ボス。」







髑髏は不器用に微笑んだ。








「でも本当に、私は平気。

骸さまに出会ってからは、いつも幸せだから。

・・・骸さまが必要としてくれて、

犬も千種もいて・・・

私が辛いと思うときとか、痛いとき、私の変わりに泣いてくれるボスがいる。
ボスみたいな人は今まで私が生きてきて1人もいなかった。

だから私はいつも幸せ。」









冷たい頬に流れる滴が、勢いを増したとおもうと、
髑髏の顔が滲んで

もうほとんど見えなくなっていた。









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あとがき

昔のノートから出てきた落書きです(●´Å`)

確か髑髏大好きな友人に影響されて書いたような・・・。

でも基本的にうちの髑髏はボスが好きですね。

骸とは違った信頼関係がある感じがたまらんですw

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