がらくた

□slowly lovers
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そうしていると、逞から電話がきた。
私はすぐに電話にでて・・・
「逞・・・助けて・・・」
逞になぜか助けを求めていた。
逞は場所を教えるとすぐ来てくれて、ずっと話を聞いてくれた。

「俺も両親離婚してるっていったじゃん?」
「うん・・・」
「俺も最初は実感わかなくてさー俺は今でもどっちもあってるからいいんだ」
「そうなの?じゃあ・・・」
「あぁ・・・ずっと会えないわけでもない。
だから千尋がついていきたい方に付いていけばいいと思うし、親御さんには親御さんの人生ってものがあるんだしさっ、千尋がやりたいように千尋の人生作っていいんじゃねぇーの?」
「・・・うん。」
逞が話してくれたことはただの気休めみたいなものだと思う。
ただ私は逞が私の手を握りながら言ってくれた。
それだけで安心できた。信じることができた。

「俺・・・千尋が、心配だったんだ・・・」
「えっ?」
「俺はずっと中学の頃千尋のことを見ててさ、学校にこなくなって心配してて、それで俺も転校・・・ずっと前の中学の友達に千尋が学校に来てるか聞いてた・・・。」
「・・・なんで最初・・・同じ学校に通ってるようなことを言ったの?」
「・・・千尋とはまだお別れしてなかったから。
俺は千尋と一緒にあの学校通って卒業したかったよ。」
「わ、私はあんな学校入りたくもない・・・」
「千尋はさ・・・みんなにやさしくて、まじめだったよね。
だから、千尋が取られそうであの子はあんなことしたんじゃないかなって」
「え?」
あの子とは私が不登校になった原因の子。
私はあのこと一緒によく遊んでいたんだけど・・・
最近遊ばなくなったなって思ったら、その子は私のことを省くようになった・・・。
悪口も言いふらされて、中傷の手紙を毎日もらうようになって・・・
あることないこと噂を言いふらした。
そこ子のことを信じていた私は傷ついて人が信じれなくなり・・・
人間不信になった。
「あの子は・・・千尋が離れていっちゃうのが怖くて・・・
千尋が欲しかったんだよ・・・。」

「だからって!!」
「ひどいと思う?
俺もそう思う・・・。でもそれくらいしてでも手に入れたかったんだよ・・・。
だから千尋も自分が欲しいなら自分から動かなくちゃ・・・。
あの子みたいなやり方じゃなくて・・・
親と離れたくないなら、ちゃんと自分から動かなくちゃ・・・
ねぇ?千尋・・・?だから、泣かないで」
そういって逞は私を抱きしめてくれた。
私はいつの間にか泣いていて・・・逞に抱きしめられながらずっと泣いていた。
そしたら両親が捜しにきて、見つかって・・・
逞は帰って行った。
私はあんなに必死に二人が捜しに来てくれたのが嬉しくて、涙がでた・・・。
私は「2人といたい・・・」
「「え?」」
「まだ・・・家族ですごしたい。前みたいに一緒にいたい・・・」
泣きながらそう伝えると両親は私のことを抱きしめてくれた・・・。

結局・・・離婚はすることになって、私は母がほっとけないから母のところに行くことにした・・・。
しばらくは母の実家に行くことに。
といってもここからすぐ近くなんだけど・・・
けれど、月に一回はみんなで会えることになった。

私は逞にメールした・・・。

また明日会おうって。
またslowly loversで彼と出会おう・・・。

逞からの返事はこなかったけど私はslowly loversに向かった。
ずっと待っていても逞はこなくて・・・
もう閉店時間になってしまっても私はずっとお店の前でまっていた。

その時逞からメールが・・・

「今千尋中学校にいる。きて」
ただそれだけだった。

私は中学校に向かった。

あんなに恐ろしくて入れなかった校門をあっさりとくぐり逞がなんとなく屋上にいる気がして、一直線で向かった。

「逞!!」
バンっと勢いよくドアを開けてそこには・・・

「千尋!」
笑顔の逞がいた。

「逞!私・・・ちゃんと親に気持ち言えたよ・・・
学校に入れたよ!」

「ああ」
そういうと逞は私を抱きしめてくれて・・・
とっても暖かった。

「ここで千尋と会いたかった・・・」
「千尋と出会ったこの場所で・・・」

「逞・・・」

「俺は千尋が好きだよ・・・だから千尋と会えてうれしかった。
千尋がなくところはもう見たくない。
俺が守ってやる。だから俺と付き合って・・・欲しい・・・」

「逞・・・うん・・・」

そう言ったら逞の手の力が強くなってより一層安心した。




私はあれから母の実家で母と暮らしながら時々父とも連絡を取っている・・・。
そして、私は学校に行くようになった。
逞が一緒に卒業したていってくれたあの場所へ
逞が告白してくれて、逞とともにすごした二年間がつまっている場所へ。




「まもりさん久し振り!」
そうして私はまたslowly loversへ来てた。
「よぉー!今日も友達と一緒―?」
「ううん・・・今日は彼氏と・・・」
「どもっすまもりさん!」

逞と一緒に来てた・・・

私たちをつなげてくれたこの場所へ・・・
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