がらくた

□slowly lovers
3ページ/5ページ



「あらぁー千尋ちゃんいらっしゃい!あれ?今日はお友達も一緒なんだ!!」
「まあね」
「よっすー!まもりさん」
「あれお友達は逞くんだったのね!」

私はいつも道理にまもりさんと話ながら洋服を決めている。
逞は・・・なんかアクセを真剣に見てる。
「なに見てんの?ペアリング・・・?」
「うわぁ!!」
私が声をかけると逞は異常に驚いていた。
「な、なんでもない!!」
「なんでもないって・・・まぁいいけど・・・」
私はまたまもりさんと話しながら洋服を決めていた。
「千尋ちゃんがお友達連れてくるなんて初めてだね!」
「まあね・・・」
「それがよりによって逞くんだなんてね!運命感じちゃうわ」
なんだかまもりさんは、すごく楽しそうだった。

私らはショップをあとにしてまたほかのお店を回っていた。
お茶をしようってことになりコーヒーショップに入った。

くだらない雑談や服の話をしていて、私は疑問だったことを聴いてみた。
「ねぇこないだ電車の駅でわかれたじゃない?同じ中学なんだから一緒の電車だったんじゃないの・・・?」

「あっあぁ・・・えっとそれは・・・」
彼はなんだか答えにくそうだった。
指でほほのあたりをポリポリとかきながら、彼は答えた。
「俺・・・親が離婚して引っ越してるんだ・・・だから中学も転校してんの・・・」
「そ、そっか・・・。」

なんとなくまずいことを聴いたような気もするけど・・・
彼は相変わらず明るくて、そのまま、またショップめぐりが続いた。
逞とはまた駅のホームで別れて、
私はまた電車に乗った。

私はまた電車の中で考えていた・・・。
逞が離婚したって言った時のあの顔を・・・
離婚。
そんなに悲しかったのかな・・・。
うちももう離婚寸前だ。
母親の夜遊びも絶えないし、父は父で浮気をしているんだろう。
私にはお金を置いておけばいいと思っているみたいだし、
いつ離婚しようが構わない。
まぁその時はお金をもっている父のところに行くけど。
けど逞はあのとき・・・悲しそうだった。
そんなに両親と離れ離れになるのって悲しかったのかな・・・。

転校したんだっけ・・・。
あれ・・・?確かであった時・・・
逞・・・。
気のせいかな・・・?


また考えていたら降りる駅になって家に帰ってまた毎日の行動をとる。
ただ、今日はなぜか母親がいて、なぜか・・・父親もいた。
「千尋来なさい」
「なに?」
母親に呼ばれてリビングに行く。
「ご飯ならもう食べてきたから。」
「そうじゃなくてね・・・座って」
そういって母が椅子を引いた。
「座りなさい」
私がボーっとしていると父が一言。
しかたなく座ってどちらもなかなか喋らないからボーっとしていた。
「あのね・・・」
「なに?早くしてよ」
やっとしゃべったかと思えばまだ引っ張る気かよ。
「父さんたち・・・離婚することになったから」
「・・・そう」
離婚・・・そうするんだ。
だから私にはこれっといって何もない。
「千尋は・・・どっちに付いていきたい?」
そう母さんが震えた声で涙目でこっちを見ながら聞いてきた。
・・・どっちって、決まっているでしょ。
お金があるほう。ただ、それだけ。
「・・・考えとく」
なぜか私はお金があるほうなんて言わなくて、
カバンをもって家を出ていた。

走って、走って、河原まで来ていた。

なに今になってビビってんのよ・・・
お金があるほうがいいに決まってるじゃない。
なんであの人は私のこと・・・あんな目で見るの!!
もうどうすればいいの・・・!!!
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ