がらくた

□slowly lovers
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正直以外だった。
あれから無理やり彼にひっぱり回せれるかと思ったけど、
こっちの様子をうかがいながら行動してくれて、
歩調も合わせてくれてた・・・。
そして何より以外だったのが彼のかっこう。
ゴスパンク・・・。
私もゴスロリだから偏見とかそういうはもちろんないしかっこよくて似合っているって思う。
けど普通の彼がそんな格好をしているなんて思ってなかった。
周りのいまどきのかっこうをしているんだってずっと思っていた。

彼と買い物しながらいろいろ話した。
どうやら彼もあそこのショップのはよく行くらしい。

「それじゃ・・・」
もう暗くなってきたから帰ろうってことで駅のホームで別れようとしたとき、
「おい!これ!!付き合ってくれてサンキューな!」
彼が何かを投げてきたのであわててキャッチした・・・。
それは、買い物中に私が見ていたキーホルダーのぬいぐるみで・・・
彼を見ると後ろ向きに手をふっていた。
ありがとうそういうべきなんだろうけど、私は言葉を飲み込んだ・・・。

電車の中座りながら彼がくれたぬいぐるみを見ていた。
兎のぬいぐるみで、私はこれがとっても気にいってた・・・。
どうして彼はわかったのだろうか・・・。

袋に戻そうとしたときガサッと音がした。
それは手紙見たいなもので・・・
これなに・・・?

そこには彼の名前と携帯番号とメールアドレスが書いてあった。
そして、連絡くれよの文字が・・・。

瀬崎逞・・・。

私は電車の中彼を思い出していた。
中学の頃。
彼はクラスで人気者だった・・・。
私とは違って。
いつもクラスは彼中心に動いていたし、
持ち前の明るさでクラスをまとめていた。

私は、いつもそんな彼を見ているだけ。
クラスの影で・・・悪口を言われながら・・・いつも独りで・・・。

彼とは一回だけ話したことがあった。

私がこけて、持っていたプリントをバラバラにしてしまった時
周りはクスクス笑っていただけだったのに唯一助けてくれたのが彼だった。

「ありがとう・・・」
ポツリと私はつぶやいた。

そんなことを考えているともう降りる駅で、よく考えたら彼も同じ中学校なんだから
同じ電車じゃなかったのか?・・・

私があまりにもいやな顔したからか、よくわからないまま私は家へと帰った。

家に帰っても誰もいない。
母親は夜遊び、父親は単身赴任。

一人で晩御飯を食べて、そのまま部屋にいって特になにするわけでもなく、
部屋を掃除して、今日買ったものを整理して、ベットの上でmp3プレイヤーで音楽を聴いていた。
時に口ずさみ、それからネットをしたり。
特になにするわけでもなく一日が過ぎていく。

そういえばと、さっきの紙を取り出してみた。
メールくらいするべきなのか、でももう会うこともない。
だから関係ないとしなくてもいいんだろうけど・・・
ぬいぐるみをもらってしまったんだからここはお礼のメールをするべきなんだろうって思い私は、

「今日はどうも。
古川千尋です。
ぬいぐるみもらってしまいすいませんでした。」
と特に顔文字なども使わずメールを送った。

そしたら彼からすぐに返信が来て、

「おーメールありがと!!
いいよ、いいよ!
そういう時はありがとうっていうんだぜ!!」

しばらくやることもなかったので彼とメールしていた。
なぜか、また会うことになっていて、名前で呼ぶことになっていて、
今思えば彼・・・瀬崎逞のペースにはまっていた。

こうして毎日のだらだらとした行動に逞とのメールが含まれた。
時には電話したりもしてくだらない話をしていると、
逞と聞いてる音楽が一緒だったり、いろいろと趣味が合うことに気がついた。


そんなこんなしていると逞とまた会う日が来た。

「よぉー!久し振り!!」
「久し振りって・・・」
一週間ぶりくらいでしょ・・・。
「どこ行くー?」
「slowly loversだけはいく。」


「あぁあのショップね!オッケー!」
そうして私らはslowly loversへ向かった。
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