短編

□短いSSや拍手SS集
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熱かったから、買ってきたアイスキャンディーをベッドの上で食べることにした。
ためしに「ワタシが食べさせてあげます」なんて笑顔で言ってみたら、以外なことに普段なら絶対にそんなことはさせてくれないけど、了承してくれた。
丁度シャツも脱がしていた状況なだけに否定しなかったのだろうか。




*Apple taste*




アイスキャンディーを舐めると、甘い味とリンゴの香料が口に広がる。
先端を吸うと熱のせいで先が尖っていき薄くなっていった。
「昶君、垂れますよ」
根本のほうから滴が溢れたので注意してやると、吸うのをやめて舌で滴を掬い取る。
その開いた口をジッと見つめると何故か酷く加虐心をそそられた。
アイスを奥まで突っ込む。
喉からくぐもった声が聞こえたが、潤んだ瞳が白銀の目を捉えて離さない。
もっと舐めるように角度を変えながら出し入れすると、ちゅぱ、と卑劣な水音を生み出した。
アイスと唾液が一緒くたになったものが顎を伝う。

「っは……白銀、もう、いいだろ」

一回口から出して、頬にアイスをグリグリと押し付けながら嫌がる様子を楽しむと、そのまま滑るように下ろしていった。
首から、胸へ。お腹は冷たくすると可哀想だから、小さな突起の上に押し付けてしまおう。
「ひぁ…っ」
冷たいから感じてしまうのだろうか。
いつもの彼らしかぬ可愛い声にますます気分が高揚する。
アイスを滑らした箇所に舌を這わせるとリンゴの味がした。
甘い、甘い、甘い。




「昶君を食べてしまいたい」
「…お前、変態だろ」
「キミ限定でですよ」



体の上に溶けたアイスは、白銀に食べられて消えた。




2008.11.10
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