短編

□HELP!
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「――ぁっ、あぁ」
白濁とした液が勢いよく飛び散って、白銀の顔と指を汚す。

「随分たくさん出ましたね」
「・・・・・・悪ぃ」
「汚れてしまいましたし・・・舐めてくださりますよね?」
丁寧な口調だが、これは命令だ。
イッた直後の朦朧とした意識のせいで、普通だったら絶対にしないだろうが、素直に従ってしまう。
白銀の人形のような白い頬に舌を這わせ、自分で出した精液をねっとりと舐め取った。

「・・・クソまず」
「・・・・・・まさか、本当に舐めてくれるとは」
見つめた白銀の表情は、少しだけ目を見開いて本当に驚いているようだ。
意表をつけたようで昶は満足した。
もっと戸惑ったり、驚いたりする表情が見たいでもない。
「手もだな」
手袋はとうに外してある。
熱で赤くなった昶の唇が、一本一本白銀の指先をくわえていく。
少し甘噛して、感触を楽しむように舐めると、白銀はその光景をジッと見つめていた。
まるで自分のソレを口淫されているようで、想像してしまう。

(なんか俺・・・すげぇエロいことしてる気分だ)
熱に浮かされた脳は、理性を失わせる。
普段、白銀の顔に見惚れたって、迫られてちょっとソノ気になった事があっても、抱き締められていたいと思ったとしても、全て突っぱねて拒否し続けてきた。


甘えるなんて出来ない。
また、甘えることが出来ない自分が酷く苛立たしい。

「昶くん」
呼ばれて舐めるのをやめると、引き抜いた指と唇に銀の糸ができた。
白銀の息を呑む音が聞こえる。
その表情は柄にもなく切羽詰っていて、白銀は昶の唾液ごと掬うようにキスをした。
ベッドに押し倒され、求めるように手を握りあい、薄く唇を開けたら舌が入り込んでくる。
「んっ」
歯の羅列をなぞられ、舌の裏側から全て舐め尽くすそれは、まるで別の生き物のようだ。

「し・・・ろがね・・・」

心のなかでもっと、と願った。
















2008.9.27

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