短編

□HELP!
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健全な男子高校生は、自慰とかする・・・・・・もんだよな?







HELP!








「はぁ…」
「おや、昶くん。溜息なんてついてどうしたんです?」
ベッドの上で何をするでもなくゴロゴロしている昶を見下ろし、白銀はいつものように微笑んでいた。
普段は特に気にならない笑顔が、今はどうしようもなく恨めしい。


抜きたい。
かれこれ2週間は触ってない息子は多分相当溜まっているだろう。
お陰で肌の調子は良くなっているが、そんなのはどうでも良い。
影をしてくれるのはありがたいのだが、いかんせん一人になりたい時もある。

「白銀」
「なんです?」
「お前ちょっと出てけ」
「何を突然……昶くんと離れたら、ワタシ寂しくて死んじゃいます」
「じゃあ死ね」
いつもの調子で、白銀はふざけた調子で昶をからかう。
そのままベッドに上がりこんで、強く昶を抱き締めた。

「昶くぅーん」
「ギャー!」
端正な顔をグイッと押さえつけ距離をとる。
…といっても、ベッドの上だから大して離れてはいないが。
誰が見てるわけでもねえしと思い、この前気を許して好きにさせてたら危うくまたキスされるところだった。


人間というのはすぐに慣れてしまう生き物だ。
初めて会った当初は二人きりになるのも嫌だったのに、今は抱き締められるのも嫌じゃない。
昶が気がつかないうちに、白銀が昶の領域にだんだんと踏み込んできているのだ。



「―――何を、考えてるんですか?」
「え」
気付いたときには、すぐ近くに白銀の顔があった。
そのまま押し倒され、脇の下を思い切りくすぐられる。
「うぁははははは!!」
「あっはは。そんな暗い顔してたらいけませんよっ」
「はははは!い、いいからやめろはは!」
脇の下をくすぐっていた手はそのままシャツを捲り腹の上を踊りだした。
片方の手は首筋に移動し、なるほど人がくすぐったいところを的確についてくる(…って関心してる場合じゃねえ!)
笑いすぎて腹が痛い、喉が熱い。
ようやく白銀の手が止まったのを見て、昶は勢いよく咳き込んだ。

「はぁ…っお、まえ」
「昶くん、すごく色っぽいです……」
「苦しんでんだよ!」
「そういえば、知ってますか?」
「無視か」

露出した腹を白銀の手袋越しの手がなぞるように触れ、首筋に顔をうずめ息を吹きかけられる。
「・・・ッ!」
「くすぐりに弱い場所って、性感帯らしいんですよ」
「せいか…って、お前!」
腰にクるバリトンの効いた低い声が、耳に唇を押し当てられた状態で伝わってくる。
これまでにないくらい密着した状態で、白銀の長い足が昶の足の間に膝を立てた。
普段ならここらで白銀をボコボコにするところだ。
こいつもそれを予想しているだろう。

でも。

(…嘘だろ……)
「おや、今日は随分とおとなしいんですね」
自分としては信じられない現実に硬直した。

「お前・・・・・・やっぱ部屋から出てけ」
「だから、なんでです?」
「なんでも良いだろ!」
だんだんと顔が赤くなっていくのが分かる。
その表情を見つめ、白銀はある考えが頭に浮かんだ。

「もしかして」
「うあぁ!?」
手が股間に触れた。
「てめぇマジふざけんじゃねえ!」
「昶くん、勃ってますよ」
「・・・ッ」
勃ち上がっているのを確認されると、蒼い目が一瞬光る。

「・・・・・・気付けなくてすみませんでした。昶くんも、男の子なんですよね」
「・・・は?」
「不思議に思ってたんです。一日中片時も離れないのに、一体いつ自慰をしているのかと。」

白銀の手がズボンのチャックを下ろす。


「我慢は身体の毒ですよ、昶くん?」








ああ、神サマ

コイツはまた、俺の領域に侵入してきたようです。

一線越えた領域へ














オマケのエロ。

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