☆小説☆
□■不文律 後編■
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「…もっと触ってもいいか?」
「君が遠慮する質とは知らなかったな」
「う、うるせぇな!」
「いいよ。このあとの時間はたくさんあるし、僕もそうさせてもらう」
−−さっき君に大胆な告白をされて嬉しいからね。
耳朶に直接吹き込まれ、ぞくりと粟肌立つ。
「っ!あ、あれは…」
もっと雲雀と一緒にいたい。もっと雲雀に触れたい。
追い詰められて、抑えていたはずの己の欲求の恐ろしさを口にした自分が恥ずかしい。
後ずさるが、閉じた扉に背をぶつけただけで、目の前の男との距離は殆ど変わらなかった。
「帰らないでよ」
「か、帰れねぇよ」
もう一度、今度は啄むようなキスを。
背に回された手が、腰を撫で、制服のシャツを探り、直接素肌に触れてくる。
「…止められないけど、いいの?」
「オマエが人に確認を取るような質だったとは知らなかった」
「ワォ、言ってくれるね」
「それにこのあとの時間はあるんだろ…?」
「勿論。君が望むだけあるよ」
意趣返しさえ、結局は互いを煽るものにしかならず。
少し乱暴に上衣を脱ぎ捨て、部屋中央の黒革のソファに移動する。
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