☆倉庫☆
□■手遅れ■
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それは飽くなき欲求。
もっと君と話したい。
もっと君に触れたい。
もっと君の奥を暴きたい。
もっと深く。もっともっと深く…
どんなに無様にあがいたって、君は君で、僕は僕で。
決してひとつにも同じにもなれはしない。
傷付き、傷付けることを知っていても、愚かな僕らは近づこうとして、また癒えていない傷をえぐってしまう。
その痛みを恋と言うのだと、気が付いたのはいつからか。
失くしてしまえば楽になれるのに、溢れてくるこの気持ちを消す術が見つからない。
何より君を手放すことが怖いとさえ感じているのだから
「もう、手遅れだよ…僕も君も」
不意に零したその呟きをどこまで理解したのだろう。
雲雀に組み敷かれた獄寺は僅かに目を見開き、そして苦しそうな表情で小さく頷いた。
END