☆小説☆
□■おやすみなさい■
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緩やかに浮上した意識に併せて、目を開ける。
ベッドに横たわったまま辺りを見回し、一瞬、見慣れない景色だとどきりとしたが、なんてことはない、いつもの自分の部屋だとすぐに気付いた。
勘違いしたのは、夜明け前の暗がりの中、普段見慣れない黒い塊が視界に入ったせいだ。
至近距離にあるソレに手を伸ばせば、存外こしのある質感に思わず笑みがこぼれる。
無防備にさらされた後頭部と、身体に触れた温もりは、確かに雲雀が今隣にいる証だった。
実のところ雲雀とは、終業式以後まったく会ってはいなかった。
冬休み中に学校に行く用事などあるわけがなく、クリスマスも十代目の御家で開かれたファミリーパーティーで過ごしたし(ボンゴレファミリー式クリスマスパーティーだったが、雲雀がくるはずもなかった)、これといって会う機会も理由もなかったからだ。
それが、年の瀬も目前に迫る昨夜。
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