☆小説☆

□■理由 side H■
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どんなに過去に戻っても、どんなに衝突を繰り返しても、僕等はきっと、また手を取り合う。


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あの日、不本意にも閉じ込められた壁の、向こうに君が来た時から、全ては始まったのだと思う。

最初から意識をしていたわけではない。群れている草食動物の一人といった程度だったのが、やたらと並盛の風紀が乱れる出来事の場で見かけるようになり、いつの間にか貸しだ借りだと繋がりを持つ相手となっていた。

そして10年後といわれる世界で、未来の自分は彼の口にした「借り」に対して、「期待せずに待つ」と言ったのだと聞いた。


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