☆小説☆

□■蛹1■
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ガラララと乱暴な音を立て開閉した戸に、一応この保健室の管理者であるシャマルは、手にした雑誌から目を離さぬまま訪問者に声をかけた。

「おー怪我か?病気か?どちらにしても男は診ねーぞ」
「誰もお前の診察なんか受けたくねぇよ…ベッドが借りられればいい」

返って来た声はシャマルのよく知った人物のもので、思わず顔を上げると、血の気を失った様子の獄寺が、フラフラと一番奥のパイプベッドへ向かっているのが目に入った。

「隼人、どーした?喧嘩でもしたか?」
「…ただの腹痛」
「なんか悪いもんでも食ったのか?」
「ちげーよ…」

だるそうに答えながら上履きを脱ぎ、もそもそと布団に横になる獄寺を追い掛け、ベッドサイドに腰をかければ、ギッとベッドが鳴いた。
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