☆小説☆

□■おやすみなさい■
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いきなり家にやってきたかと思うと、鍋だと言って勝手に(引き連れてきた風紀委員に命じて)セッティングをし(委員たちはすぐに帰っていった)、食事が済むと勝手に風呂に入り、着替えを持参していたあたりで予感はしていたが、今日は泊まると言い出し、布団の所有権を巡って争った挙げ句、寒さに負けた形で一緒に寝たのだ。

寝入ってしまえば気にならなかったが、目覚めてしまえばその狭さと窮屈さにこそばゆい気持ちになる。

(…かなり早ぇけど、起きるか)
隣に気づかれないように細心の注意を払って身体をずらし、床に足をつける。と、シンと冷えた冷気が一気に背筋を駆け抜けて、

「うっ、ぎゃあ!」

声が出たのは冷たさからではなかった。予期せぬところから伸びてきた手に、腕を掴まれたせいだ。



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