treasure

□cyan blue
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「っ…ぁ、く…‥っあ!」


「は…っ‥泉、いずみ…っ」



"だいきらい"と"だいすき"と"いたい"と"きもちいい"とその他諸々の感情が全部混ざり合ってオレの頭の中はものすげーことになってんだと思う。


(なんでオレ、コイツんちのベッドの上に居んだろ)

(なんでコイツ、こんなことしてるわけ)



「ん、…ぁ…はま…っ‥!」




(なんか順序、すっ飛ばしすぎだろ)



今思えば、色々どうにもならない生理的なことを除いてはオレの頭は至って冷静だった。

目眩と頭痛と倦怠感の後目の前が真っ暗になって、そこで思考が一度止まった。









「………いず、み…」

「泉…‥」


気が付いてもオレは未だ浜田の部屋にいた。
腰が痛いだの怠いだの何となあく耳にはしていたけど、まさにその通りだと思う。

(動けねー‥)

髪が汗でべたつく。
うっすら目を開けると浜田が横から覗き込んでいた。オレもコイツも服を着てない。
いたしてしまったことを実感するには色々十分すぎた。



「泉…?」


「……さっきからうるせーんだよ、黙れ」


オレが瞼を開くと、コイツも目を見開く。
意識が朧気な時からもう既にずっと名前を呼ばれ続けていた。



「ごめ…ごめんな、泉、オレ…っ」

シーツをぎゅっと握りしめて、今にも泣きそうな情けない声で紡ぐ。



(…泣きたいのはこっちだとかさ、思わねーわけ)


オレはオレなりに、色々考えてた。

つーか、そもそも、オレがいてコイツがいればそれで十分だった。
…それでも欲を言うなら。
オレの気持ちに気付いてほしかったし。
コイツも同じ事考えてればいいなとか思ったし。
二人で特別な目的の元出掛けたいなんて、そーいうのだって思わなかったわけでもない。

兎に角色々考えてた。



(へったくれも何もねー)


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