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□雨上がりの帰り道
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うつむく栄口の横を通り過ぎて家に向かう道を歩き出す。


泣かないって、悲しくなんかないよって、また一緒に笑い合える友達に戻るだけだって、そう決心したはずなのに。

喉の奥の方にまだ飲み込めない気持ちが詰まっているみたいで苦しい。

真っ直ぐに引かれた道の白いラインが歪んで見える。


振り返るとうつむいたままの栄口がいた。

俺よりちょっと小さい背中が小さく震えていて、改めて俺はズルイって思った。



涙がこぼれないように上を向く。
厚い灰色の雲が太陽を遮り、どんよりとした梅雨独特の空気を運んでくる。
まるで今の俺の気持ちを現しているみたいだ。
下も上も向けない俺は家までの道を全速力で走った。




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