おめでとうを君に
□手を繋いで帰ろう
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何でもやるよ。
お前が喜ぶなら。
そう言ったらきっと困った顔して笑うんだ。
手を繋いで帰ろうか。
明日は三橋の誕生日だ。
去年は当日に知ってみんなで祝ったんだっけ。
今年はちゃんと祝ってやりたいな。
恋人として。
そんな想いとは裏腹に、誕生日プレゼントはなかなか決まらない。
あいつが欲しいもんって何だ?
グローブ…は最近新しいの買ったみたいだし。
ボールはあいつの部屋にいっぱい転がってたし、腹にもボール入れてるくらいだしな。
とりあえず明日聞いてみるか。
ちょうど試験期間で練習ないし、一緒に買いに行くのも悪くない。
時計を見ると5月16日のは23:59。
携帯を開くとメールを打つ。
相手はもちろん今まで俺が考えてたやつ。
「おめでとう。」
短い言葉だけど、想いはたくさん込めて。
00:00になったのを確かめて送信ボタンを押す。
いつもなら送信ボタンを押したらすぐ携帯を閉じて机やベッドの上に置くけど、何だか今回はちゃんと送信完了の文字を確認してから静かに携帯を閉じてポケットにしまった。
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