おめでとうを君に

□世界に一つだけの特別
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「本当は…」

「ん?」

「本当は特別な日だからケーキを焼こうかと思ったンだけど…さすがにそこまでは慣れてないから…。」

ってちょっと残念そうな顔。
でも、これでも十分『特別』だよ?
栄口が俺の事を考えて俺のために作ってくれた生クリームがたくさんのったケーキは世界にたった1つだけだもん。


「ありがとね。栄口」

来年も作ってねって言いながら栄口の柔らかいほっぺにちょこんと口唇で触れると真っ赤な顔で

「来年は焼けるように頑張るね」

って笑った。

そんな顔されたらもう止まらないよ!!
俺は栄口の腕を引っ張って自分の腕の中に閉じ込めた。
始めはびっくりしてた栄口もくすっと笑うと

「水谷 誕生日おめでとう」

って俺のおでこに1つキスをして、真っ赤な顔を俺の胸に押し付けながら背中に腕を回してぎゅっとしてくれた。

栄口の後ろの時計を見るとちょうど0:00。



来年もこれから先もずっと君とこうやって誕生日を迎えられたらいいな。




おわり。

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