連載小説

□第三話 援軍〜皮肉屋と書いてツンデレと読め〜
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「…で、今回よろず屋で探してきた依頼なのだが…」

宿屋の一室から兼続の声が聞こえる。
日もすっかり落ち、外は闇に包まれていた頃…。
湯殿から部屋に戻ってきた忠勝は部屋の前で立ち止まり、盛大にため息をついた。


彼の予定では。
半蔵とらぶらぶな(まだらぶらぶにすらなっていないが)
二人旅をしながら二人まとめて面倒みてくれる仕官先を探すはずだったのだが…
如何せん彼の思い通りにはいかないようだった。

兼続が、問題なのだ。
はっきり言ってしまえば忠勝にとって兼続は邪魔(酷い)ということになる。

今のところ兼続の意識の中に半蔵に対する恋愛感情というものは存在していない。
兼続にとって半蔵は義を語り合う仲間という意識しかないらしい。
(最も半蔵に義を語るつもりは皆無である)
しかしそれは今現在の心境であって後々変わってくるということもあるだろう。

とりあえず今はこれ以上仲間が増えない事を祈りつつ、忠勝は襖を開いた。



が、彼のこの切実な願いも今回の戦で一瞬にして消え失せることになる。




傭兵演武〜旅は道連れ 世は情け〜
第三話 救援 〜皮肉屋と書いてツンデレと読め〜



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