桜の散る校庭
□桜の散る校庭
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序章
桜が満開に咲き、涼しい風が吹いた。その涼しい風の中一人、焦った顔をして洙雀(しゅがら)工業の正門まで全力で走っている男がいた。
その走りのおかげで正門まで後4bの所でSHRの始まりの鐘がなり、正門の前に生徒指導の鬼教師と噂されていた鬼神淳が立っていた。
鬼神「おい、2年の柴羽龍。俺を無視してどこに行くんだ?」
龍は笑い「いゃ〜それはもちろん教室でしょう。ではではこれで一件落着。よし」
もちろん鬼神は笑って許してくれない。
鬼神「よし。じゃない。龍、お前は教室じゃなくてこっちだ」
龍は制服の襟首を掴まれ、マンガみたいに連行された。桜は笑っているかのように花が揺れ、桜の花びらがゆっくりと落ちた。
一章
生徒指導室から雄叫びに似た声が聞こえた。
鬼神「遅刻の理由はなんだ」
まだ鬼の顔でいる。
龍「弟の看病のため夜更かししたんです」
龍はとっさに嘘をついた。
鬼神「そういう理由ならしょうがないな。って騙されるか。龍、あんまり大人をからかうなよ。わかったか」
さっきより鬼に近ずいたため龍は頷いた。
その後10分間説教をくらい、鬼神の許しを得て生徒指導室から出て、教室に入ると誰もいなかった。
龍「あ、あれ?みんないないな。まさか体育の授業なのか?いや、違う。今日は体育の授業ないはずだ」
龍はとりあえず自分の席に座った。
しかしいくら待っても誰一人来なかった。
龍「誰も来ないなぁ〜まぁいっか。いつか来るだろ。お腹空いたし購買店に行くかな」
龍は席を立とうとして
後ろからぬいぐるみの短い腕が龍の肩に置かれ、力いっぱい引っぱられ、床に倒れた。
龍「誰だよ。まったく」
起き上がろうと手に力をいれ立とうとしたが腕に力が入らなく、顔をあげるとぬいぐるみはぽふぽふぽふかわいい足跡をあげて逃げて行った。
龍「なんなんだ一体。分けがわからないな。あれ、待てよさっきのぬいぐるみどっかで見たような気がする」
考えながら教室から出て、一階の購買店にいく階段で足を踏み外し盛大な音を上げ二階から一階まで転がり、気を失った。
その後龍が落ちた時には階段にぬいぐるみがいた。
痛みで目を覚ますと周りにはあのぬいぐるみ達が囲んでいて一斉に龍をタコ殴りにした。
タコ殴りされた龍の顔は所々腫れていた。
龍「ほれにはひかふらみでもはるほか(俺に何か怨みでもあるのか)」
ぬいぐるみ達「・・・・・・」
龍「はいかいへよ(なにか言えよ)」
ぬいぐるみ達は相談をしてリーダーらしきぬいぐるみが出てきて龍めがけて言葉をはいた
ぬいぐるみ1「☆!〇×&∫(私の名は有沢だ)」
龍は何を言ってるのかわからなく唖然とした。
ぬいぐるみ1「※△Σ☆!〇×&∫(だから私の名は有沢だ)」