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□春よコイ
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「おれ、今日ごめんな」
「な、なにが?」
「もっと早く、言ってたら。花井けがしねーですんだのに」

あぁ、そのことか、と花井はあきれたようにつぶやいた。

「おめーのせいじゃねーだろ」
「…でも」

まだ何か言おうとする田島の頭を花井がぐしゃぐしゃとなでる。
その手のひらがとても優しくて。
田島は思わず、言ってしまった。

「だって、おれ。花井が死んだらかなしーもん」
「…は?」
「キズついたり、ケガしたり、おれの前から花井がいなくなんのが、すげー悲しい。
ずっと、ずっと。
一緒にいてーんだもん」

ぼっと花井の顔が赤くなる。
その変化に田島は気付かない。
花井の胸に顔を押し付けて動かない。

そんな二人をみて、阿部がつまらなそーに呟いた。

「恋、してんなー。あいつ」


2012/4/28
fin
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