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□春よコイ
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昼休み。
花井のけがは大したことなかったようだ。
でも。
自分がもっと早く気づいていれば。
花井にけがさせずにすんだのに。
花井のことが気にかかる田島は、普段なら寝ている時間に7組をのぞいた。
いたっ、花井!!
だだだっと駆け寄ってくる田島に
「おー田島じゃん、どしたの」
水谷がのんびり声をかける。
花井の前で立ち止まると。
「田島、もしかして次英語か?」
阿部がけだるげにつぶやく。
しょうげねぇなぁというように花井がノートを探そうと、立ち上がった。
その胸にいきなり田島がとびこんだ。
「はぁっ、田島、どーした、お前」
混乱している花井がいう。
ぐりぐりと自分の顔を花井の胸に、おしつけた。