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□春よコイ
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ぱっと目がさめる。
涙が、自然と頬を伝っていた。
「…夢、かぁ…」
ごしごしと腕で顔を拭く。
「花井…」
この胸のざわめき。
なんか変な感じ。
なんか花井に起きる。
はたと時計をみると、朝練が始まる時間。
「っやべぇ!!」
ばぁっと全身の準備をして、
「いってきまー」
と叫んで家をでた。
学校に着くと、花井が既に一人でストレッチをして、待っていた。
「よかった…」
「おー田島。今日珍しくちょっとはえーな」
笑って花井が言う。
ぽわっとざわついていた胸があったまった。