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□あんはっぴー?ばれんたいん
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利央の出現で話しかけるタイミングを失った。
花井も言葉をだそうとしない。
もう、このまま帰るのか?
しばらく何も話さず歩いていると、
「あのさッ」
花井が突然田島に話しかけた。
びっくりして目を開いた。
だけど、すこし嬉しくて。
嬉しさがばれないようにわざと不機嫌そうに言う。
「何?」
「あの…チョコ、ダメだって言ってたけど…
捨ててくれてもいいから…
これ…」
田島の目の前に突然差し出されるチョコレート。
しかも、手作りっぽい。
ちゃんと、用意してあった。
ちゃんと、まだオレのこと好きなんだ。
ホッとしたと同時にムカムカとしてくる。
なんで用意してあんならさっさと渡さないんだ。
花井を見ると、目がきょどきょどと動いてる。
三橋みてー
花井でもこんな風になる時、あんだなぁ…
チョコを受け取り、わざと不機嫌な顔のまま田島が口を開いた。
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