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□あんはっぴー?ばれんたいん
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今日はバレンタイン。
自分を呼び出した女子もいた。
何人かは花井を仲介としてやってきた。

何時に何処にいってくれ

と、花井に伝えられた。
どの娘も皆真剣で、
好きです、付き合ってください
と告白されたけれど、
好きな奴がいる
とどれもみな断った。
チョコだけ、受け取ってくださいと言う子もいたが、体重が増えるからと言って受け取らなかった。
どうして花井は受け取ったんだろう…?
オレよりも女の子のほうがいいんだろうか。
そもそもオレたちは男同士だし、今回のこのバレンタインのせいで、別れる事になるんだろうか。
バレンタインが告白の日なんて。
告白なんていつでも、できんだろ…
そんなん頼るから、菓子メーカーが喜ぶんだ。
ちっと口の中で舌を鳴らした。

大好きなんだ、こんなにも
花井のことが
仲間としてじゃなくて
本当に

ポケットの中に眠ってるプレゼントをそっと触って、鞄を持った。
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