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□はっぴー、ばれんたいん
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「あのさ、オレ、今日、ずーっと待ってたんだ。
花井がオレんとこ来んのを。
来たと思ったら女子の告白の手伝いだし、オレのためには来ねぇし。
部活ん時だって、花井が渡してくれんのずっと待ってたんだ。
だから、いつもより少し長めに休憩とったんだぞ。
でも、お前はチョコ六個もらってるし。何だよ、ソレ。
オレは花井からしかもらわねぇって決めて、全員にあーいって断ってさ」
花井がはっとして顔をあげる。
田島の顔は真っ赤だった。
「お前が、オレのこと本当に好きか心配だったんだぞ。
女子の手伝いするのはオレが好きじゃないからかとまで思ったんだ。
だけど、花井があまりに泣きそうな顔で
何処に行ってくれ
っていうから…
思わず抱きしめられなかっただけありがたいと思っとけよ」
ったく好きな奴をすぐ抱きしめらんねぇなんてつれぇよ、と田島はそっぽを向く。
「…た、田島。俺、バレンタインあってよかったって思う」
「はぁ?」
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