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□はっぴー、ばれんたいん
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田島が何回も呼び出しを受けていたのを花井は知っていた。
何回かは自分と同じクラスの女子に頼まれて、イヤイヤだったけど仲介したのだ。
せざるを得ないだろう?
俺は田島と付き合ってても男なんだから。

何時に何処にいってくれ

と、田島に伝えた。
どの娘も皆真剣で、あれは告白というオマケつきだろうと花井は踏んでいた。
どれくらい受け取ったんだろう…?
俺よりもいい子はたくさんいる。
それに、俺たちは男同士だ。
今回のこのバレンタインのせいで、俺たちは別れちゃうんだろうか。
バレンタインが告白の日なんて、そんなの考えたのどこのどいつだよ。
アメリカや欧州じゃ、日ごろお世話になってる恋人や夫婦に感謝する日なんだぞ。
ちっと口の中で舌を鳴らす。

大好きなんだ、こんなにも
田島のことが
憧れじゃなくて
本当に

カバンの中に眠ってるチョコレートに一度目をやってから、制服を着た。
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