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□すきのていぎ
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青い空に白い雲が浮かんでいる。
田島は家から少し離れた堤防に遊びに来ていた。
5人兄弟の末っ子で、上の兄たちに遊び場をつれまわしてもらっていたのだ。
いつものお気に入りの場所にかけていく。
すると、そこには。
同じ年くらいの髪の長いフリルのついたスカートをはいた子がいた。
「えーそこおれのばしょだよー」
不満そうに田島が声をだす。
その子ははっとして振り返った。
か、かわいい…!
怒られたと思ったのか、ふにゃりと眉は垂れ下がり、大きな目にうっすら涙をためていた。
「ご、ごめん…」
体をきゅっと小さくして、声も小さく搾り出すようにその子がいう。