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□一生で一度の
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「おー、花井?」

聞きなれた声が耳に響く。
高校のときからずっと、奴のポジションは副将で親友。

「阿部かぁ、どした?」
「や、ちょっとな。
 おめーに言いたいこと、あって」
「なんだよ」

かちゃかちゃと阿倍の後ろから聞こえる雑音。
『わぁッ』
と驚いた声が受話器ごしに響いてきた。

「三橋ィ、てめ、洗い物すんなっつってんだろ!!
 っとわりぃ、花井」

びくびくしている三橋の様子が目に浮かんで、ふふっと笑い声を洩らした。
阿部は、はぁ、と溜息をついた。

「いや、いーよ。
 あいかわらずだな」
「まーな、つぅかおめーらも相変わらずだな」
「は?」

その言葉にドキリとする。
阿部には、本当のことを言ってある、はずだけど…
最近の話は全くしてない。

田島が話したのか?
阿部とはすごくは仲よくないはずだった田島が?
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