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□あい あむ あ ぼーい
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もやもやする。
むらむらじゃない。
もやもや。
こんな気持ちは初めてだった。
どんなに可愛い子に告白されても感じなかった。
どんなにスタイルのいい子に告白されても…
ってそれはむらむらするか。
「でもでもこんな気持ちは初めてだっつーの!!」
「はぁ?田島ぁ!!てめ、今部活中だぞ!!!」
主将のゲキとげんこつが飛ぶ。
「お、あ、わり…」
しゅんとして額をおさえ、その場を去る。
今はダッシュの最中で、自分は待ちの状態。
そんな中、部活にまったく関係のないことを考えていれば、花井も怒るよな…
ちらっと花井を見ると。
走っているみんなに声援を送っている。
そんな視線に気づいたのか
「お前、ぼっとしてんなよ。おーえんしろ」
そういってぽんと背中をたたかれた。
もやもやする。
胸が、ぎゅーっとする。
なんだこれ。
花井をみると、こーなんだ。
花井がほかのやつに笑いかけるともやもやして。
花井がおれに笑いかけるとぎゅーっとなる。
なんだ、これ?