サウダージ

□4月
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「おはようございます!」
取り巻いている緊張を振り払うように元気よく挨拶をした。
それから一人一人に自己紹介をしてまわった。
「初めまして!薪下良です!宜しくお願いします!」
「こちらこそ、高林浩輔です。宜しくお願いします」
一見怖そうな人だと思った。
クラスの人に自分を紹介している内に、ふと気にかかった事があった。
何名かが名札を付けている。
そこで近くにいた感じの良さそうな女性に声をかけた。
「あの、すいません」
「はい?」
彼女が振り返り、僕は頭の中が真っ白になった。
なんて美しいんだろう…。
「あ、あの名札って要るんでしたっけ?」
「前の講師の方が付けて来いよって言ってたので、今回も付けて来たんです!」
僕は返事を忘れて彼女に見とれていた。
「あの〜もしもし?」
「はい!そうだったんですか!あ、僕薪下良っていいます。宜しくお願いします!」
「高峰里美です!宜しくお願いします!」
暫くして講師が来て、僕は胸に妙な高まりを覚えていた。
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