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□お熱い二人
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部活終わりの青学の部室

そこは灼熱地獄と化していた。


「桃先輩」

「あ?」


「暑いッス」


「バッカ、おまっ・・・暑い言うから暑いんだ!寒いっつえ!」


「さむーい、さむーい」


後輩たちが騒いでいる中

一足先に着替えを終えた不二は部誌の記入で着替えが遅れていた手塚を待っていた


「・・・」


「ねぇ手塚」


「なんだ?」


「暑いね」


「暑いな」


不二が話かけても手塚から返される返事は同意とも否定とも取れないよく分からないものだ


「手塚」


「なんだ?」


「脱いでい「ダメだ」



いつもの手塚ではありえないくらい早い返事に表情には出さずとも不二は驚いていた。


「別に大したことないだろ。それくらい」


桃たちだって脱いでるし、そう言おうとした不二の言葉は手塚によって阻まれた


「不二の肌を見ていいのは俺だけだ。だからお前は無闇やたらに脱ごうとするな」


分かったな、と固まる不二に念を押すように言うと手塚は再び着替え始めた。


ハッとした不二は不意打ちで言われた言葉に赤くなっていた


「不二ー、どったの? 顔真っ赤だよ?」


「だっ、大丈夫だよ」


菊丸に指摘され慌てて顔を反らしチラリと着替え中の手塚に視線を向けた


すると無表情で着替えていると思われた手塚と目が合う


驚いた不二は正門で待ってると言い自分のバッグを持ち部室を飛び出した



(びっ・・・くり、した・・・)


「顔・・・あつっ・・・」


夏の暑さのせいなのか、それとも手塚と目が合ったせいなのか不二は熱くなった顔を冷やしに近くの水道へと歩きはじめた。



E N D




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