過去の世界
□八代目拍手
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はぁーと息を吐けば、白く染まった。
白は、貴方の色だから
「あー、さむー」
「もう、情けない声出さないで下さいよ。それに、これからもっと寒くなるんですからね!」
いつもは片方しか袖を通さず、着崩している着物をきちんと着てマフラーまで巻いている(ちなみに新八が編んであげた物だったりする)銀時を見て、新八は溜息をついた。
「おいおい。地球温暖化とか言って、全然暑くならねぇじゃねぇか。温暖化ストップしてるだろコレ。夏は夏でクソ暑いクセによー」
「それ、夏には地球温暖化ストップしろーとか言ってたじゃないですか」
そーだっけ、と惚けた銀時は早く万事屋へ帰りたいのか足を速めた。
「でも、雪は楽しみですよね」
「全然楽しみじゃねー。寒さが増すだけだろ」
「僕は、好きですよ」
新八は半ば抱き着くように銀時の腕に自分の腕を絡ませた。
「こうすれば、少しは温かくなるでしょ?」
にっこりと微笑み、新八は言葉を紡ぐ。
「雪って白じゃないんですか。僕、白って銀さんのイメージ何ですよね」
だから、
「だから、雪好き何です」
また、にこりと笑えば貴方の白い頬は赤く染まる。
―――もうすぐ雪が降れば、全てが白に染まり白銀の世界になる。
そうやって、僕も貴方の色に染まれば良い。