その他二次創作
□スマガ☆Smash Mid night Goblin
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玄関から外に出ると、スピカが待っていた。
「おはよ、オザキ」
「ああ、おはようスピカ」
「乗る?」
「いや、今日は自分ので行くよ」
簡単な会話で充分。
それだけオレたちの愛が強いってことだ。
なんだか『世迷言でち』とか言われそうで嫌だが。
「まったくアツイねぇ。朝から愛の予感サクレツかよ馬ッ鹿野郎オザキ!」
アリデッドにどつかれる。
…そんなふうにされる謂れなんてまったくないんだが……?
恨みがましい視線でアリデッドを睨むも、当の本人はいつものニヤニヤ笑いで掴み処がない。困る。
「オザキさん!」
「あ、スエリか。おはよう」
緑色の箒に乗った、ミラよりも二回りほど大きいくらいの少女がオレに挨拶をかける。
彼女はスエリ。ICUから出た84人の魔女の一人だった。
「ちょっと、スエリ。オザキはあたしのよ!」
「ふふーん。スピカさんが相手でも譲れませんよぅ」
そんなことを言ってじゃれ合う二人。
…魔女同士って、結構仲が良いんだよな。何だかんだ言って。
「二人とも、そろそろ行こうぜ。意外と時間ないぞ」
「嘘っ! うわ、もうこんな時間!?」
「スピカさんのせいです! 快くオザキさんを譲ってくれれば早かったのに!」
「なんでそうなるのよ!」
「早くしないと置いてくぞ」
この傍から見てて楽しい会話を中断させるのは忍びないが、佐草の2時間リサイタルを引き合いに出されては敵わない。
背に腹は代えられないってわけだ。
アリデッドの車が心地良い爆発音を立てるのを聞きつつ、俺達は伊都夏大学園へ向かうのだった。