クロスオーバー
□Fate/ゼロ
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「はぁ…、倉庫を片付けるなんて、言わなきゃ良かったなぁ……」
埃っぽい倉庫を掻き分け、ギルガメッシュは独りごちた。
「……カレンさん、人使い荒いんだから」
そう言って、魔術書に手を掛けた時だった。
不意に、強い魔術的な気配を感じ、顔を上げた。
そこには、地に触れることなく浮き続ける、鏡があった。
「………これ、は…」
全く未知の物体。
こんな魔術なんて、見たことも聞いたこともなかった。
そもそも、本当に“これ”は魔術なのか?
そんな疑問も沸くが、魔力の流動を確かに感じる。魔術に他ならなかった。
「………ちょっと、気になりますよね」
そう言って、傍らに落ちていた、明らかに消費期限を過ぎているであろうミカンを手に取った。
そして、それを鏡に向かって投げる。
ミカンは鏡に吸い込まれるように消えた。
「わ、凄い」
非常に興味が沸いた。
それは、彼の持つ宝具であり能力『王の財宝』に近い効果を発揮したからだった。
「…もしかしたら、この鏡とバビロンは繋がってるのかなぁ」
そう呟き、無造作に宝具を一つ取り出した。
竜殺しの剣『グラム』であった。
それにしても、そんな疑問を持ちながら、バビロンからミカンが出ないかを確かめない辺りが、彼にどこか抜けている部分があることを証明しているのだが。
「…よし、いけっ」
グラムを鏡に向けて飛ばす。
グラムはミカンと同じ運命を辿っていった。
バビロンを展開する。
グラムは……出てこない。
「…………………あぁ! 僕の宝具っ!!?」
やはり、どこか抜けていた。
「アレがないと、大きい僕が怒っちゃうよ!」
子供と大人、それぞれのギルガメッシュに意思疎通が可能なのかは疑問だが、余り突っ込まない方がよろしいのだろう。
そして、彼は宝具を取り戻すために、鏡に自ら突っ込んでいく。
結果としては―――ミカンと同じであった、とだけ言っておこう。