腐向け

□さよならは言いたくないから
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―卒業は、終わりじゃない



誰かの声ではっとした。
…いや、歌だった。さっきまで、ラジオを聴いていていつの間にか寝てたんだ。
机に突っ伏して、顔の半分を出しながらぼーっとする。
このボーカル、やたらアニメ声だなと思って聴いていたら、メガネの好きなアニメの挿入歌だということが分かった。というかそもそもこの番組はアニソン番組だった。

―卒業は、終わりじゃない

このワンフレーズが頭から離れなくて、もやもやしていらいらする。これが中毒性ってやつ?いや、違うかな…
とにかく、今の自分に向けられているようで。

―これからも、仲間だから

「仲間…。」

ふっと、目が覚めた。

「仲間のままなんて、いやだ…」

なんだか涙が出てきた。恥ずかしい。

「つ、なっみ…さんと、さよなら…な、ん…て。」

考えたくなんかなくて。

「やだ、いやっ…だ」

ずっと一緒にいたいのに。

「卒業なっ、て、いや…で、すっ」



もう二年早く生まれてこれなかった自分を、初めて心から憎んだ日だった。


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もし立向居が綱海と同じ学校だったら。所謂ifストーリー

2011/1/25
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