腐向け

□この手を、離さないで
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「佐久間ー!」

俺を呼ぶ声がした。俺はすぐさま声のする方向へと振り返って、そのまま駆け寄り抱き付いた。

「源田!」

大好きな、源田の匂いに包まれる。源田の体温を感じる。源田の手が触れる。

今日は、部活も休みで用事もない。だから、久々に休日デートでもしようか、という話になり、今に至る。

それにしても、源田はいつもにも増してかっこいい。(これは当たり前だが)見てて惚れ惚れする。睫毛長いなぁ、とか、頬すべすべだなぁ、とか、いい匂いするなあ…だとか。
思春期の男としては珍しいかもしれないが、ぶっちゃけ、俺は香水が苦手だ。こんなこと言ったらただの変態みたいだけど、俺は人の体臭そのものに魅力を感じる。だから、その匂いを消してしまう香水は、大事なところだから二度言っておく。苦手だ。


ちなみに源田は香水をつけないどころか、あまり好きではないらしい。それを聞いた瞬間、本当はすごく嬉しかった。けれど、自分の性癖のようなものを知られたら、きっと嫌われてしまう…いや、少し考えすぎか。

「佐ー久間っ、一応ここ公共の場だって。ほら、いつまでも抱き付いてないでいくぞー」

源田の腰に張り付くようにくっついていた腕を剥がし、俗にいう王子様スマイルなるものをしながら、俺の右手と自身の左手の指を絡ませた。
多分、いや絶対、俺の顔はいちご以上に真っ赤だ。恥ずかしい。

「ば、かっ…源田っ」

俺の手を引く源田の後ろ姿を見て、顔を下に向けながら呟いてみた。





(ん?今なんて言った?)
(うっせぇ馬鹿!こっちみんな!)








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デレツン萌え。

最初はタコ以上〜にしてたけどなんかたこルカみたいなので却下。響きがかわいいからいちごにした。


2010 3/22

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