短編

□±0〜プラスマイナスゼロ〜
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家に帰るといつも静まりかえった玄関。
誰もいない、それが小さい時からずっとだったせいかそういうのが身体で判る。


寂しくないといえば嘘になるが、子供の頃から物分かりがよくて親に寂しいなんて言った事はなかった。
俺がそういえば迷惑になると思ったから。


だから、家に帰って家族がいるのが自然とうらやましくて、おだんごのいる家族が暖かくていいなって。





『ただいま』



いつも帰ってきてしんと静まりかえった空間とは違う感覚。


まさか
もしかして………

『お帰りなさ〜〜い!!』


『わぁ――――』


『もう、久しぶりなんだからもっと嬉しそうな顔しなさいよ!』


『ギブッ、ギブッ!!………』


『星野〜!ママがお菓子……って』


目の前にはプロレス技をかけられ失神寸前の星野と嬉しそうにプロレス技をかけている星野のお母さんがいた。
うさぎの顔を見た瞬間、可愛いといい頭を撫でている。


『あら、うさぎちゃん久しぶり!見ない間に可愛くなって』

『何、その違い?!久しぶりに会った息子にプロレス技かけておだんごには頭撫でて』


『いいじゃない』


『よくねぇ!』

いつもこうなんだよな。
久しぶりに会うとプロレス技かけて俺を失神寸前まで締め上げて、おだんごが来ると俺とは正反対に可愛がって。
この歳になって可愛いって言われたくはない。
けど、俺的にはもっと普通な迎え方をしてほしいものだ
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