Episode

□お題小説
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「…………」


痛い。
かなり痛い。

ただ執務用の机に向かって書類を作成しているだけだというのに。
目の前の男の視線が先程から痛い。
穴が空く程俺を見つめてきている。


「………なぁ」
「どうした?」
「何、何な訳」
「別に? 意味は無いが?」


意味は無いだと?
だったらこっちを凝視するな。

ろくに仕事も捗らない癖に更に手まで止めないで欲しい。
頬杖付いて無表情でこちらを見るのもなんか気不味いし。


「…………」
「なっ……何なんだよ、一体ッ…!」


不意に、一直線だったロウの唇が吊り上がる。
突然笑い掛けられた為、動揺しながら問い質す。
だが熱が集まる両頬をどうする事も出来ずに言った後直ぐに顔を背けた。
その数秒後、上機嫌にロウが呟く。


「……うん、今日もばっちしだ」
「だから何がだよ…」
「いや、何でも無い。ただ───…」
















見てるだけ
(今日も綺麗だなと思って)





100411.
お題提供:Distance
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