ポケモソ

□ヒットポイントの残りは?
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何度も何度も
身体を打ち付けて、傷だらけになっても
彼は闘うことをやめない
彼は血だらけの戦士だった

「もうやめてくれ!」

マスターの声が遠くから響いている気がしていた

「なんで、ポケモン同士がこんな・・・こんな・・・」
「そこがお子様なのよ、ボーヤ。」


目の前のアーボックが首筋に噛み付いた
あつい
毒のあつさだ
だが、俺はアーボックの体めがけて、火炎放射を放ってやった
奴は目を見開いて悲鳴を上げた

「リザードンっ!!」
「あんたは、アーボックと闘ってなんかないわ、なんで熱くなるのかしら・・・?
 闘っているのは
 そう、リザードン一匹だけなのよ!」


ちがう

俺は思った
首だけじゃなくて、体中があつい あつい
アーボックが睨んだ
思わず体が きゅうと縮みあがる   蛇にらみか?!

また奴が噛み付いてきた
もう痛くない 痛みすら感じない


「やめろよっ、もう、HPがきれてるじゃないか!!」
「馬鹿ね。
 ここで    殺 さ な け れ ば
 このリザードン、更に強くなってしまうじゃないの。
 始 末 し な き ゃ ね ? 」

やりなさい



目の前はかすんでる
マスターはどこ?

右からしょうげき
ああ 俺は死んでしまったのか?



「リザードン!!!リザードン!!!!」





失いかけた目がひらいた




その衝撃を受け止めて素早く奴の首筋を思い切り噛み付いてやる
ころしはしない
だって、これは   バトル



奴だってわかってたみたいだ
奴のマスターが半狂乱になって ころせ ころせといっている
だが、奴は俺をまっすぐと睨んでいた



これは


おれたちのたたかい

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