03/18の日記

15:11
この星のどこかで 高校生土沖小ネタ
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総悟お前さえ良かったら
泊まっても

やっとの想いで紡いだ言葉を遮るように薔薇色の唇が開く。

おばさんにも悪りぃし、
明日早いんでさ…

だから帰ると足早に階段を降りる足音と同時にバタンとドアが閉じた。


待てよ?総悟

俺は急いでマフラーを手に追いかけた


?俺はどこにも行きやせんぜ

息の荒い俺をクスクスと
笑うその瞳は悲しげに映った。

姉のミツバさんが亡くなってから総悟は親戚をたらい回しにされ笑顔が消えた。
いや、表面上は笑っていても心からの笑顔じゃなぃというべきか…

俺は悲しくなってマフラーを総悟の細い首に巻きながら小さな体を抱きしめた。

土方さん?急にどうしたんでさ?
人が見てるのに

くすぐったそうに身を捩るが俺よりも一回り小さな手が背中に廻る。


俺…お前の事が


伝えたい言葉よりも先に

こぼれ落ちる涙


生まれて初めて人前で泣いた。

じわじわと総悟のコートが色を変えて行く


ありがとう、でさ…


細い指先がまぶたに触れた

俺は、そっと総悟の顔を
見た

きらり…ダイヤのような涙

あの日以来一度も涙を見せなかった総悟


俺達は小雪のなか固く抱きあったまま泣いた。


涙の理由は分からない


けれど2人は同じ想いなのだと知った。


これから先もずっと一緒に

支えあって生きて行こうと

夜空に誓った。


満天の星の下で初めての


キス


涙が混ざって少し甘しょっばい夜を忘れない

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