土沖novel

□ヒトリノ夜
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総悟に黙って出て来てしまった。

今頃怒ってるだろうな。
いや‥アイツが悪いんだ。

仕事に打ち込もうとしても浮かぶのはアイツの事ばかり。

土方さんがいない初めての夜やっぱり眠れなかった。

昼間は近藤さんや山崎が
いるから気も紛れるけど‥

2日目の夜淋しくて気がつくと土方さんの部屋に居た。

「早く帰って来ねぇかな」
机を見ると煙草が置いてある。
火を点けた。「ケホッ!」すぐに止めたけど土方さんがいるみたいで 少し落ち着いた。

そして3日目淋しくて
初めて泣いた。
土方さんの着流しを
抱きしめていつの間にか眠っていた。

そして7日目
「隊長、顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
山崎の声に答えようと
したが‥その後の記憶がない。
寝不足で倒れたらしい。
何時もの様に着流しに
くるまって眠っていると暖かい手が触れた。

「夢?」恐る恐る目を
開けると‥土方さんが居た。

「ただいま。総悟」

「夢じゃないよね?」

「ああ。ごめんな。
淋しかっただろ?」
頬を撫でられる。

ちゃんと帰って来てくれた。
「お帰りなさい」

たったの一週間が長く
感じられたけど‥
お互いの大切さに気がついたヒトリノ夜
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