土沖novel
□ショコララブ
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「土方さん入りやす」
派手に襖を開けると
「返事してから入って来いや」
「何イライラしてるんでさ?せっかく恋人が逢いに来たってのに」
背中越しに囁いた。
頭を掻きながら
「すまねぇ八つ当たりしちまって」
机の上のチョコの山を
気にする姿が可愛くて
怒っていた事も忘れ
プレゼントを手渡す。
「これお前が作ったのか?」
「ええ、毒なんて入ってやせんから食べて?」
一口食べると‥
「美味いよ。甘さ控えめだな」
「アンタ好みにしたんでさ」
顔を赤らめる可愛い恋人を
抱きしめると甘い香りが掠める。
チョコよりも甘いのはお前かもな‥
この日を境にバレンタインが好きになった。