土沖novel

□ショコララブ
2ページ/2ページ

「土方さん入りやす」

派手に襖を開けると

「返事してから入って来いや」

「何イライラしてるんでさ?せっかく恋人が逢いに来たってのに」

背中越しに囁いた。

頭を掻きながら
「すまねぇ八つ当たりしちまって」

机の上のチョコの山を

気にする姿が可愛くて

怒っていた事も忘れ

プレゼントを手渡す。

「これお前が作ったのか?」

「ええ、毒なんて入ってやせんから食べて?」

一口食べると‥

「美味いよ。甘さ控えめだな」

「アンタ好みにしたんでさ」

顔を赤らめる可愛い恋人を
抱きしめると甘い香りが掠める。

チョコよりも甘いのはお前かもな‥

この日を境にバレンタインが好きになった。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ