土沖novelU

□promise
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「十四郎、総悟書けたの?」

今日は一年に一度の七夕の日

覚え立ての字を一生懸命書く総悟。

「ん〜、とどかない」

ぴょんぴょんと飛び跳ねている。


「吊してやるよ」

短冊を取ろうとした。


だめ!ねがいごとかなわなくなっちゃう。

小さな手が握りしめてた
「俺にも言えねぇの?」自分の短冊を吊しながら聞いた。

「としにぃ、わらわない?」

うん、絶対笑わない。

じゃおしえてあげる。

今度は俺の頬が真っ赤になった。

「としにぃのおよめしゃんになれますように」

約束だよと指きりしたっけ。

俺が9才、総悟4才。

10年近く立った今も仲の良さは変わらない。

「総悟?ほら‥起きろ」毎日の日課でベッドを
覗き込む。

「ン?まだ眠い」

クマのぬいぐるみに顔を押し当てている。
透けるような金色の髪。桃色の頬。
本当に中学生かと思うほどあどけない

しかもクマのぬいぐるみは俺からのプレゼント


「朝飯出来たから」
頬をつつくと抱きしめられた!ヤベッ、可愛い過ぎるだろ。

鼻から赤い物が流れた。
「とし兄?どうしたの」
泣きそうな顔でティッシュを抱える総悟。

毎朝理性と戦う土方十四郎18才、総悟13才の春
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