土沖novelU

□I NEED YOU
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「沖田君が倒れました」
ただ一言のメール。

相手は知らない奴だった。

取りあえず総悟の高校へ向かった。


「総悟!」


汗だくで髪振り乱し校内を探す。

「あの土方さんですか?」


声の方へ振り向くと見知らぬ少年の姿。

沖田君は此処ですと案内された。


白いベッドに青白い顔の総悟が居た。


「メールしたのは僕です」弱々しい声の少年。


「連絡ありがとう。何があったか教えて欲しい」

え‥修学旅行の事で。


「修学旅行?」

そういや言ってたな。
総悟の姉さんからも
「そーちゃんに渡して
下さい」

私からだと受け取らないからと旅行代を預かったっけ。


「それでどうしたんだ?」

少年は口ごもった。


「俺に言えない事か?」

目の前の大人しそうな
少年を怖がらせないように聞いた。


沖田君から聞いて‥ないんですか?


今にも泣き出しそうな
少年の口から出た言葉。

一瞬で周りの空気が変わった。


学校でなかったら泣き
叫んだであろう…


とても残酷な話だった。
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