土沖novelU

□best friend
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「総悟?お迎えが来たわよ」


‥‥‥‥


何時まで寝てるの!


耳元でお袋の金切り声。

まだ7時半じゃねぇか


みの虫みたいに布団に
丸まった。


ドタドタ!「早く起きろ」

眩しい光が差し込む。


「まだ‥眠いんでさ」


枕を抱え瞼が閉じた。


また遅刻する気か?


カーテンを開け寝ぼけ眼の
総悟のパジャマを脱がせ
制服を着せた。


「朝ご飯食いたいのに」

飯食いたきゃ早起きしろ!


空っぽの鞄に教科書を
詰めた。


「じゃ叔母さん行って
きます」


いつも悪いわね。土方君。


ため息を吐く叔母さんの声に見送られるいつもの光景。


幼なじみ‥


10年来の付き合いだけどちょっと構いすぎだろぃ。


「しっかり捕まらねぇと
落ちるぞ」


腹に回した手を離し地面に飛び降りた。


「待てよ!総悟」


持ち前の運動神経でバランスを保ち総悟を追いかける。


「朝飯食ったら行きやさぁ」


瞬く間に豆粒のように 小さくなる総悟を見送った。
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