土沖novel
□貴方の隣で
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土方さんが珍しく学校を休んだ。
いつも隣にいる人がいないと思うと落ちつかない。
風邪でもひいたのかねぃ?昨日雨に濡れたから。俺に傘を貸して先に自転車で帰らなきゃ良かったんでさ‥
「沖田くーん?話聞いてる?」
熱高いのかなぁ。勉強なんて手につかねぇや!
「気分悪いんで早退しやす」
鞄を抱えドアを開けた
瞬間
「試験前なんだよね‥」銀八先生の声は虚しく宙に消えた。
土方さんの事で頭がいっぱいの俺の目に飛び込んで来たもの。
それは真っ赤な林檎。
1つ手に取ると幼い時に姉上がすりおろして食べさせてくれた事を思い出して思わず買ってしまった。
それから一目散に土方さんちに向かいベルを鳴らしても返事がない。
寝てるんだから当たり前かと思いドアノブを掴むと開いた!
「失礼しやす」
そっと家に上がると
「ケホッ」
苦しそうな声が聞こえた。