土沖novel
□翼
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今俺は病院に居る。
壁一面真っ白なおよそ明るさとはかけ離れた 俺にふさわしい場所。
きっと明るい世界に戻ることはない。
誰も近寄らない俺にあの人だけは変わらぬ態度のまま‥
「なぁ総悟。お前欲しいものないか?」
死を目前にした人間にそんな事聞くなよと思ったけど‥
不器用な貴方らしい優しさ。
「そうですねぃ。白い鳥が欲しいでさァ」
「は?お前何言ってるの!」
首を傾げる土方さん。
「土方さんが飼って下せぇ?可愛がってやって欲しいでさ」
その言葉を聞いた土方さんの肩は震え少し泣いていた。
俺がもしいなくなっても土方さんが悲しまないで済むように。
神様お願いしまさァ!
生まれ変われたら真っ白な鳥になりたいでさ。
自由に飛べる翼が欲しいでさァ。
何時までも土方さんの傍にいたいから。
FIN